実はとってもスゴイ!「だ液」のチカラ -その2- 全身の健康を守る!
なかなか終息しない新型コロナ・・・「PCR検査」を受けたことがある方も多いでしょう。
「PCR」検査の検体は、はじめは綿棒状のもので採る「鼻咽頭ぬぐい液(スワブ)」や喀痰と指定されていましたが、その「鼻咽頭ぬぐい液」の採取は医療従事者に限られるので、人員や防護具が不足する医療ひっ迫の状況では検査そのものが困難でした。
しかしその後、安全かつ簡便な「だ液」による検査も検査精度が同等と認められ、今では広く活用されています。
また、新型コロナだけでなく、血液型検査やがん診断、エイズ検査などでも「だ液」での検査が行われています。
今後もさらに、さまざまな病気の診断に「だ液」が用いられていくでしょう。
「だ液」パワーは全身の健康も守ります!
だ液は、お口からの外敵の侵入を防ぐだけでなく、全身の健康を守る働きもしています。
だ液と身体は深い関係があり、良いだ液が沢山出るのは、健康な証拠なのです。
(1)だ液バリアが細菌侵入を防ぎます!
人の身体で外側の部分は、常に細菌などの外敵が侵入する危険にさらされています。
そこで、生態防御機能として、さまざまな抗菌因子が活躍しています。
だ液中の抗菌因子には、次のようなものがあります。
●ムチン (食べ物の中の細菌を凝集させお口から排出させます)
●ラクトフェリン●免疫グロブリン(lgA)
(細菌の毒性物質を攻撃し無力化を図るなど細菌の増殖を抑制します)
他にも
●リゾチーム
●ペルオキシダーゼ
●ヒスタチン 等
(2)だ液で「がん」予防!だ液は活性酸素※ を除去します!
現在、日本人の主要な死因の第一位である「がん」。
がんの60~70%は、食生活と喫煙が原因であるといわれています。
普段食べている食品に含まれる添加物、農薬、タバコの成分や、肉・魚の焦げ等には、多くの発がん性物質が含まれており、これらが体内に入ると大量の活性酸素を発生させます。
※活性酸素とは、酸化力の強い酸素です。生体で最も大切な遺伝子細胞(DNA)を傷つけ、がんをはじめ様々な成人病を引き起こしたり、アレルギーや老化の原因になります。
だ液の成分には、そうした発がん性物質を発生させる活性酸素を減少させる機能も認められています。
いろいろな発がん物質にだ液を混ぜる実験をしたところ、発がん物質の毒性は人のだ液に30秒間つけるだけでほとんど消失してしまうという驚くべき効果が確認されています。
だ液中に含まれている酵素のペルオキシターゼとカタラーゼが、発がん物質の毒性を消し、有害な活性酸素を除去する強い働きがあることがわかっています。
(3)良いだ液は若さを保つ!老化防止にだ液パワー!
そして、だ液にはもう一つ驚きの作用があります。
だ液には、パロチンという物質が含まれていますが、パロチンは別名「若返りホルモン」と呼ばれ、日本人(緒方洪庵の孫、緒方知三郎氏;東京医科大学初代学長)が発見した物質です。
パロチンは成長ホルモンの一種で、筋肉や骨の発達を促進し、骨や歯の再石灰化、新陳代謝を促進するほか、白内障の進行を遅らせる効果があるとされ、医薬品としても使用されています。
また、だ液中には成長因子であるIGF-1※という成分もあり、健康の維持や老化防止に役立つと言われています。
※IGF-1・・・・成長ホルモンの刺激の結果分泌される。人体のほとんどの細胞はIGF-1の影響を受けています。
素晴らしいパワーをもつだ液をたくさん出すには・・?次回に続きます!