生活習慣で守る歯の健康!

2023.07.27

こんにちは、お口の学校です。

虫歯や歯周病は生活習慣病の一種です。虫歯や歯周病のかかりやすさというのは、歯の質や唾液の質など、遺伝的な要素に左右される部分もありますが、多くの場合食生活や生活習慣が大きく影響していることをご存知でしょうか?そのため、虫歯や歯周病というのは、糖尿病や高血圧などのように、生活習慣病の要素が強いと言えます。つまり、虫歯や歯周病は、生活習慣を改善することにより、予防が可能な病気なのです。生活習慣は、一度固定されるとあまり考えることなく、無意識のうちに繰り返してしまいがちです。しかし自分で意識して変えようとすると、変えた生活習慣を繰り返すことは意外とスムーズにできるようになります。今回は、歯の健康を守るための生活習慣についてご紹介します。

歯を悪くしてしまう生活習慣

歯を悪くしてしまう生活習慣をいくつかご紹介します。当てはまるものがある場合には要注意です。

☑疲労やストレスが溜まっている

☑タバコを吸う

☑歯ぎしりをする

☑歯磨きをしないで寝てしまう

☑口呼吸をしている

☑間食をしたり寝る前に食べたりする

☑砂糖入りの飴やガムなどをよく食べる

☑砂糖入りの飲み物をよく飲む

☑酸っぱいものや炭酸飲料をよく摂取する

☑悪くなってからでないと歯医者に行かない

歯を守るための生活習慣

歯を守るためには、生活習慣の上で次のことに注意しましょう。

  • 1. 疲労やストレスを溜めないようにする

人間はストレス状態になると、お口の唾液が分泌されなくなります。また、寝ている間の歯ぎしりが起こりやすくなり、歯や歯の周囲の組織を傷めてしまいます。疲労やストレスが溜まると身体の免疫力が低下して、細菌に感染しやすくなります。実際、疲れが溜まると口内炎ができたりすぐに風邪を引いたりしてしまう人も多いのではないでしょうか。歯周病も細菌による感染症ですから、身体の免疫力が低下すると感染しやすくなるので注意が必要です。そこで、身体の免疫力を高めるために疲労やストレスを溜めない生活習慣にしてください。例えば、ストレスの解消においては何か趣味や楽しみを見つけると良いですし、疲労の蓄積を解消するにはゆっくりと入浴することや充分な睡眠を心掛けると良いでしょう。ストレスを溜め込まず、適度にストレス解消することを心掛けましょう。

  • 2. タバコを極力吸わない

喫煙はその行為自体、歯周病になるリスクを5倍以上も高め、さらに重症化もしやすくなります。ヘビースモーカーほどそのリスクは高くなる傾向があります。タバコを吸うとニコチンによって身体の免疫機能が狂わされ、またタールの影響で歯に歯垢(プラーク)が付着しやすくなります。免疫機能の崩壊と歯垢(プラーク)の付着、どちらも歯周病になるリスクを高める要因であり、喫煙している人が歯周病になると、本来起こるはずの歯肉の腫れが見た目上では起こらず、そのため歯周病になっても病気を自覚できず、いつの間にか進行を許してしまうのです。そのため、歯の健康を考えるのであれば、できればタバコは吸わないことをおすすめします。

  • 3. ポイントを押さえた磨き方をする

歯磨きは、ただ磨けば良い、というものでもありません。虫歯や歯周病を予防するためにはポイントを押さえた磨き方をすることが大事です。具体的には、奥歯の溝、歯と歯茎の境目、歯と歯の間の3つのポイントにしっかりと歯ブラシの毛先を当てるように磨いてください。なお、歯と歯の間は歯ブラシだけでは不十分ですので、デンタルフロスを1日に1回通すと良いでしょう。歯磨きは生活習慣の一部ですが、より効果を高めるためにデンタルフロスの使用をおすすめします。ブラッシングだけの歯磨きの場合、歯垢(プラーク)の除去率は6割程度で、つまり4割の磨き残しが発生します。ただしデンタルフロスを使えば歯垢(プラーク)の除去率が2割高まり、トータル8割以上の歯垢(プラーク)の除去が可能となります。デンタルフロスは歯と歯の間を磨くためのもので、ここは歯ブラシが届かない箇所です。歯ブラシで磨けない箇所が磨ける分、デンタルフロスを使うとより多くの歯垢(プラーク)を除去できるのです。歯と歯茎の境目を磨く歯間ブラシを使っても効果があります。また、歯はたくさん磨けば良いというものではありません。あまり磨きすぎると逆に歯や歯茎を傷めてしまうこともあります。歯の健康を維持するためには、最低朝と夜の2回は磨くようにしましょう。特に虫歯や歯周病というのは眠っている間に悪化しやすいため、寝る前の歯磨きは欠かさないようにしましょう。

  • 4. 唾液の分泌量を高める

唾液は細菌を流す役割を担っており、そのため唾液の分泌量の低下は歯周病になるリスクを高めます。そこで、唾液の分泌量を高めて細菌の自浄作用を充分な状態にしておきましょう。問題はどうやって唾液の分泌量を高めるかですが、それには次の方法が効果的です。

●よく噛んで食事をする

唾液は噛めば噛むほど分泌が促されます。

●ガムを噛む

食事以外の時間に噛む機会を作れます。糖の摂取を控えるために、シュガーレスタイプにするとより良いでしょう。

●定期的に水分補給をする

身体が水分不足になると唾液の分泌が抑制されます。

●リラックスする

緊張状態になると口の中が渇いて唾液が蒸発します。

●鼻呼吸をする

口呼吸をすると、口の中が乾いて細菌が繁殖しやすくなります。癖で口呼吸になっている場合には、意識して鼻呼吸するようにしてください。

  • 5. 食生活を改善する

食生活の改善のポイントはたくさんあります。

●よく噛む

上記で説明した通り唾液の分泌量を高めるのが目的です。

●軟らかいものばかりを食べない

これは噛む機会が失われるのを防ぐためです。現代の食べ物は、あまり噛まずに食べられるような、軟らかい加工食品であふれています。あまり噛まない食生活を続けていると、唾液の分泌がきちんと行われないようになり、細菌が口の中に繁殖しやすくなって虫歯や歯周病にかかりやすくなります。

●糖分の摂り過ぎに注意する

糖分は虫歯菌のエサとなります。砂糖入りの飲み物を1日に何度も飲む習慣がある、砂糖入りの飴やガムなどを食べることが多い、という人は気をつけましょう。これは一見虫歯予防の方法と思えるかもしれませんが、糖の摂取は歯垢(プラーク)を付着しやすくさせ、歯周病になるリスクも高めます。また、食事中の糖質にも同様に注意が必要ですので、バランスのとれた食事を心がけましょう。

●間食をなるべく控える

食事を摂る回数が多くなるほど、歯に歯垢(プラーク)が溜まりやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。特にだらだらと食べ続けるのは良くありませんので、間食はなるべく控えるようにしましょう。

●寝る前に食べない

夜食をとる習慣があるとその後に歯磨きをして寝たとしても、虫歯や歯周病のリスクが高まります。睡眠中は唾液の分泌量が大幅に減少します。そのため眠っている間というのは、唾液による自浄作用が落ちてしまいます。歯磨きでは100%汚れを取り切ることは不可能なので、磨き残しによる虫歯や歯周病のリスクが高まってしまうので気を付けましょう。

●酸性食品の摂りすぎに注意する

酸っぱいものや炭酸飲料は摂りすぎると歯を酸で溶かしてしまいます。摂りすぎにはくれぐれも注意しましょう。

  • 6. 定期検診を受診する

歯周病を予防するには、定期的に検診を受診しましょう。歯科医は症状を治すためだけでなく予防するための治療も行っているので、日常生活の中で定期的に歯科医に検診を受けに行く機会を作ってください。定期検診では歯のクリーニングなどの予防治療を受けられますし、口の中の健康状態を確認することで歯周病になっても早期発見と早期治療が可能です。このため、定期検診の受診は歯周病の予防だけでなく重症化を防ぐ効果もあります。

歯肉の炎症が全身に多くの影響を及ぼすことは昨今の研究で明らかになってきています。歯周病も糖尿病も生活習慣病ですから互いに深い関係があって不思議ではありません。毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病を予防する事が全身の生活習慣病を予防することにつながります。また、歯医者は口腔内の変化をみる事のできるプロです。口腔ケアも自分一人できちんと行うのは難しいと言われています。半年に一度は歯科医を受診し、生活習慣も含め口腔内のケアを受けるようにしてください。歯周病は生活習慣病であり、日常生活の中に発症の要因は潜んでいます。このため、日常生活を見直して生活習慣を改善することも歯周病の予防において大切で、ほんの小さな改善が歯周病から守ることにつながります。毎日こまめに歯を磨き、口内環境を整えて、健康な毎日を過ごしましょう!