歯と歯ぐきに良い食べ物をご紹介しましょう!

2021.12.09

歯を失う原因の第1位となっている歯周病。
歯周病予防のために、歯磨き、デンタルフロス、デンタルリンス等の習慣を大切にしている方は増えています。
また、歯周病にかかってしまって歯医者さんで治療し、歯石をとり、クリーニングをしてもらい、歯肉からの出血もなくなってくると、今後の予防対策を真剣に考える人も多いと思います。
そもそも歯周病や虫歯の発症は、栄養素の偏り(たとえば、お菓子・ご飯だけを食べ過ぎる等)が原因と考えられる場合もあります。
口腔環境を清潔に保つオーラルケアは、細菌と闘う武器として大事ですが、健康なお口を維持するためには、糖分を多く含むスイーツや強い酸を含む食べ物を制限するだけでなく、歯と歯ぐきに良い食べ物を摂ることも極めて有効です。
そこで今回は、どのような食べ物が歯周病予防に効果があるかをご紹介させていただきます。

1. 歯周病になることと食べ物の関係

お口の中は、ケアをしないと どんどん悪い菌が増えていきます。悪い菌が増えると、身体の免疫力によって悪い菌をやっつける力が働きます。歯周病菌の数が一定数以下であれば、この免疫力によってお口の中を守ることができるのですが、免疫力で対抗できなくなると、悪さを働く菌の退治ができなくなります。
歯周病においては、この「免疫力」がカギになります。
実は、歯周病は、歯周病菌そのものが歯ぐきや顎の骨を溶かしてしまうのではないのです。
お口の中の免疫力だけで抵抗できなくなると、歯周病菌は歯にくっつきます。そして、今度は自身の「免疫力」が、歯にくっついてしまった歯周病菌そのものを排除しようとして、その周りを攻撃し溶かし始めるのです。これが歯周病です。つまり歯周病予防には、(1)「免疫力を高める」 (2)「お口の中の歯周病菌を抑える」 食べ物を摂ることが重要なのです。
また、歯周病になると、歯の表面の汚れからばい菌が血管に入り、歯肉が赤くなり炎症状態になります。そこで、歯医者さんで歯の表面をクリーニングして細菌を取り除きます。でも、歯肉はズタズタのままです。炎症によって破壊された細胞を修復する食べ物を摂ることも重要になります。(3)「炎症を抑える」 (4)「歯周組織の生成に必要な食べ物」を摂ることは大事なのです。

2. 具体的な食品の例

(1)「免疫力を高める」食べ物

免疫力を高めるには、「食物繊維」と「発酵食品」「身体を温める食品」が良いとされています。
・根菜類(ごぼう、レンコン、にんじん等)
・発酵食品(納豆、味噌、漬物、キムチ、ヨーグルト等)
・キノコ、海藻、野菜、豆等
・生姜、玉ねぎ、ニラ、ニンニク、鮭等
また、天然の「プロポリス」も免疫力を高めることが知られています。

(2)「お口の中の歯周病菌を抑える」食べ物

近年、歯周病菌のうちの4種類ほどの菌株に対して、生玉ねぎの抗菌効果が有効という研究結果が発表されました。
・生玉ねぎ
生玉ねぎは、血液をサラサラにする成分があり、高血圧や糖尿病に効果があるとされていますが、さらに、玉ねぎに含まれる硫化アリルは殺菌性が強いため、体内に侵入した病原菌を退治してくれます。免疫力アップにも効果があります。

(3)「炎症を抑える」食べ物

歯周病の始まりは歯ぐきの炎症です。炎症が悪化すると、その周辺の組織も傷つけてしまいます。抗炎症作用のある食べ物をいくつか挙げてみます。
・根生姜
・ネギ、ニラ、にんにく等の香味野菜
・パイナップル
・ナッツ類

(4)歯周組織の生成に必要な食べ物

炎症によって破壊された細胞は、オメガ脂肪酸3を摂ることによって修復します。
また、歯の周りの組織はコラーゲンでできているので、コラーゲンの生成に必要な食べ物を多く食べることも歯周組織の回復に有効とされています。タンパク質(特にアミノ酸)、ビタミンC、鉄分が必須です。コラーゲンは、直接食べてもほとんどコラーゲンとして生成されないので、食品から摂りましょう。
・オリーブ油、ごま油、えごま(シソ)油、などのオメガ脂肪酸3を含むもの
・魚(アジ、サンマ、サバ、かつお、まぐろ等)もオメガ脂肪酸3を多く含みます。
・大豆製品(納豆、豆腐、味噌、醤油)
・根菜類
こうして見てみると、伝統的な和食をバランス良く食べることがお口の健康にも良いようですね。
よく噛んで唾液を十分出すこと、規則正しい生活も大切です。

さらに、よく笑うことも、免疫力を高めると言われています。素敵な笑顔は健康な口元があってこそ!
免疫力を高める食事を楽しんで、いつまでも若々しい毎日を送りましょう!