歯が黄色くなるのはなぜ?

2023.10.30

こんにちは、お口の学校です。
昔はもっと白かったのに、どうして、こんな黄色みを帯びてきたのだろう…?鏡に映る自分の歯を見て、そう思ったことはありませんか?また、人と話しているときに相手の歯の黄ばみが気になる時ってありませんか?普段生活をしていると特定の食事や飲み物、タバコのヤニなどで自然と着色してしまうので意識していないとすぐに汚れが目立ってきてしまいます。対人関係において黄ばんで汚れた歯は、不衛生でマイナスのイメージを持たれてしまうので気を付けておきたい身だしなみです。今回は歯の黄ばみとなる様々な原因、またそれらに対しての適切な対処法も併せてお伝えします。

歯が変色する原因って?

歯の黄ばみの原因は大きく分けて外的要因と内的要因の2つが挙げられます。

  • 外的要因

外的要因は食べ物などによる外側からの着色で、主に飲食物と喫煙によるタバコのヤニが歯の着色汚れの原因と考えられます。ステインが一般的な原因といわれており、ステインとは食物に含まれているポリフェノールなどが、唾液の中のたんぱく質と結合した汚れです。コーヒーカップや湯飲み茶わんに茶渋がつくように、コーヒー、紅茶、日本茶、烏龍茶などのお茶類や赤ワイン、コーラ、ブルーベリー、木イチゴ、カレーなど色の濃い食材の多くは、歯に着色しやすいという特徴があります。これらの食べ物に含まれる着色成分はいずれも、最初のうちは単なる歯の表面の汚れですが、時間がたつにつれ次第にエナメル質の中に染みこみ、歯磨きでは落ちません。着色しやすい食べ物を摂取するときは注意が必要です。黄ばみ対策としては、食後に軽く口の中をゆすぐことでステインの主成分を洗い流し沈着を防ぐことができます。普段の生活で少し気にかけ、だらだらと食べ続ける習慣をなくすことも黄ばみ対策の効果は十分にあります。また、タバコのヤニも歯が変色する大きな原因です。タバコの葉が燃える時に熱分解されるタール(ヤニ)はタバコに多く含まれており、タールは黒褐色で粘質性のある非常に着色しやすい物質で出来ています。長年の喫煙でこびりついたタールは普通の歯磨き粉などではなかなか落としきることが出来ないため、歯医者さんでの特別な処置も必要となってきます。

  • 内的要因

内的要因は加齢によるもので、歳を重ねるごとに歯は黄ばみを帯びていきます。歯の表面は半透明のエナメル質で覆われていて、その下に象牙質という黄色い層があります。年をとるにつれて、エナメル質は少しずつ薄くなっていき、象牙質の色はだんだん濃くなってきます。その結果エナメル質から下の象牙質の色が透けて、黄色っぽく見えるようになってくるのです。 他にも歯が変色する原因として見られるのが、虫歯の治療などで神経を抜いてしまった場合です。時間がたつにつれて、歯が内側から茶色に変色してくることがあります。これは神経が死んでしまい、象牙質に栄養が届かなくなってしまったために起こる現象です。一方で加齢や生活習慣とは関係なく、歯が変色している人もいます。これは永久歯が形成される7歳頃までの幼児期に、テトラサイクリンという抗生物質を服用していた影響とされています。マイコプラズマ肺炎などにかかった時に服用する抗生物質であるテトラサイクリンは、永久歯が生え変わる頃までの子どもが服用すると歯が黄ばんでしまうことがあります。左右対称に歯の色が変わっている場合は、子どもの頃にテトラサイクリン系抗生物質を服用していた可能性があります。

症状としては、歯肉と歯の境目の部分が帯状に茶色く変色したり、縞模様ができたりします。歯の表面全体が褐色になる場合もあり、色のつき方には個人差があります。

歯の黄ばみを防ぐ方法

どうすれば歯の黄ばみを予防できるのかが一番気になるポイントですよね。そこで、自分で簡単に実践できる歯の黄ばみの予防方法をご紹介していきます。歯の黄ばみをしっかり予防して、気にせず歯を見せて笑えるようになりましょう。

  • 着色しやすいものを口にした後はすぐ歯を磨く

カレーやコーヒーなど、歯の着色汚れの元となるものを口にした際には、なるべく早く歯磨きをしましょう。着色汚れを引き起こすものは多岐にわたるため、黄ばみの原因となるものを全く口にしないというのは現実的には難しいことです。色素が蓄積する前に歯磨きをすることで、歯が黄ばむことを予防しましょう。食後にすぐ歯磨きをするのが難しい場合は、口をすすぐだけでも歯の黄ばみの予防になるので、ぜひ実践してみてください。

  • 正しいブラッシングと歯ブラシや歯間ブラシで歯を清潔に保つ習慣

歯の黄ばみを予防するためには、日頃からきちんと歯の汚れを取り除くことが重要です。歯の黄ばみを引き起こすのは色素の強い食べ物による着色汚れだけではありません。歯に磨き残しがあり歯垢(プラーク)という汚れが付いていると、歯は黄ばんで見えてしまいます。歯の表面をきれいに保つためには、正しいブラッシング方法での歯磨きが大切です。まず、歯ブラシは歯と歯茎に直角に当てて、毛先がそのままの形を保てる程度の力で磨きましょう。一つの歯で5mmほどしか動かさないことがポイントです。歯ブラシや歯間ブラシも活用して、歯垢(プラーク)をしっかりと取り除くようにしましょう。どんなに忙しい日でも、歯ブラシや歯間ブラシで歯を清潔に保つ時間をつくるよう習慣づけられると良いです。

  • ホワイトニング歯磨き粉の活用

歯の黄ばみを防ぐためにはホワイトニング歯磨き粉などの専用歯磨き剤の使用も有効です。ただし、研磨剤(清掃剤)が大量に入った歯磨き粉は、歯のエナメル質を傷つける可能性もありますので注意が必要です。ステインが強く付着している場合(タバコを良く吸う・着色しやすい飲食習慣があるなど)はこのような研磨剤入りの歯磨き粉が効果的ですが、使用頻度は週1回程度に抑えることをおすすめします。

  • 唾液を増やす工夫をする

歯の黄ばみを予防するためには、唾液を増やすことも重要だと考えられます。唾液は歯の表面に付着した汚れを洗い流してくれるだけでなく、食事のたびに溶けてしまう歯を修復する再石灰化の働きも持っています。そのため、唾液の分泌量を増やすことが歯の黄ばみ予防につながるといえるのです。唾液を増やすためには以下の方法がおすすめです。

・よく噛んで食事をする

・口の中が乾燥しないようにする

どれも簡単に実践できることばかりなので、ぜひ今日から取り入れてみてくださいね。