歯医者さんに行く前に何をしたら良い?
歯医者さんへ足を運ぶのが久しぶりの方にとって、受診前に何をしておけばいいのか、受診の際には何を持って行けばいいのか等は頭を悩ませてしまうものです。不備があると、せっかく歯医者さんに行っても検査や治療をしてもらえない場合もあるため、事前に必要なことや物について把握しておくとよいでしょう。今回は歯医者さんに行く前に知っておきたい、受診前にやっておくことや受診時に持っていく物等についてご紹介します。
歯医者さんに行く前にやっておくこと
歯医者さんに行く場合、事前に何をしておけばいいのでしょうか。まずは受診前にやっておくことをご紹介します。
1.どこの歯医者さんに行くかを事前に決めておく
自分が無理なく通える曜日や時間に診察をしているか、自分に必要な治療をやってくれるか等、自分に合っている歯医者さんを見つけることがとても重要なポイントです。例えば虫歯の治療をしてほしいのに、矯正治療だけを専門的に扱っている歯医者さんに行ってしまうと意味がありません。そんなことにならないように、自分に合った歯医者さんかを事前に確認しておきましょう。基本的には一般歯科と言う項目があれば、虫歯治療や歯周病治療などを取り扱っています。
2.診療の予約
受診する前に、きちんと受診予定の歯医者さんに予約を入れておきましょう。予約をせずに行ってしまうと、既に空きがなくて当日中に治療を受けられなかったり、仮に当日中の治療が可能でも予約した患者さんが優先となり数時間待たされたりすることがあります。歯医者さんは基本的に完全予約制であることが多いので、普段からあまり予約をする習慣がない方は忘れないようにしてください。最近ではネット予約サイトに登録している歯医者さんも増えていますが、ネット予約は基本的にその場で決めることができない場合が多いので、急ぎの場合は下記会話項目を目安に電話をすると良いでしょう。スムーズに治療・健診を受けるためにも、診療の予約を済ませたうえで受診しましょう。
〈電話予約の会話項目〉
・何の用で電話したのか(予約したいのか予約はしていてキャンセルをしたいのか、痛みや腫れなどの現状等)
・受診者の名前(小児歯科の場合は必ずお子様の名前を伝える)
・過去の受診歴を伝える(その歯医者さんで受診したことがある場合は診察券を手元に用意しておく)
・予約希望日時を伝える
3.歯磨き
歯医者さんに行く前に、自分で歯磨きを済ませておくことが重要です。歯磨きをせずに歯医者さんに行くと、食べかすや歯垢(プラーク)等の汚れにより、口内トラブルが隠れてしまい正しい診察ができない可能性があります。歯磨きは口内の細菌や歯垢(プラーク)を除去し、口腔衛生を保つために重要な生活習慣です。歯医者さんに行く前に十分な歯磨きを行うことで、診察や治療の効果を最大限に引き出すことができます。歯医者さんに行く前に歯磨きを行うことで、歯科医師が診察や治療に集中できるだけでなく、普段の歯の状態もわかりやすくなります。定期的な歯磨きは口腔の健康維持に欠かせない習慣であり、予防の基本です。歯医者さんによっては歯磨きをしていない患者さんに対して口内の洗浄を行う場合もありますが、結果的に処置の時間が長引くことにつながるので、事情がない限りは歯磨きを済ませておくことがおすすめです。
4.体調の確認
歯医者さんを受診する際には、自宅で体調確認を行ってから向かいましょう。その日の体温をチェックし、体調に問題がないかを確認したうえで受診しないと、治療中に思わぬ体調不良に悩まされるリスクがあります。また、近年は新型コロナウイルスの感染リスクもあるため発熱している、もしくは体調が思わしくない場合には無理に受診せず、回復してから後日改めて予約をしましょう。体調の確認は予約や診察前に自己責任で行うべきですが、歯医者さんとの事前のコミュニケーションも重要です。体調不良や何かしらの症状がある場合には事前に歯医者に連絡をし、相談しながら適切な対応を取りましょう。
歯医者さんに行く際に持っていく物
歯医者さんに行く際には、必要な持ち物について把握しておく必要があります。忘れ物があると自宅に取りに戻らなければならないなど、手間も時間もかかるので注意が必要です。スムーズな受診のためにも、以下の持ち物を準備してから行きましょう。
●現金
歯医者さんの初診時には1万円程度をお財布に入れておけば、病院推奨のマウスウオッシュや歯間ブラシを購入するといった想定外の出費があっても対応できるでしょう。最近はキャッシュレス化が進み、電子マネー決済が可能な歯医者さんも徐増えていますが、導入していない歯医者さんもまだまだあります。手持ちのクレジットカードも使えない可能性がありますので、お財布には1万円程度、最低でも5千円は現金で持っていきましょう。そうすれば、保険料が3割負担の方でも初診時の治療費として安心です。なお、初診料がかかるのは1回目だけで、2回目以降は初診料の4分の1程度の再診料がかかります。ただし、最後に歯医者さんで治療を受けてから3か月以上経ってから来院すると再度初診料が発生します。
●保険証
歯医者さんに行く際には保険証を忘れないようにしましょう。保険証がないと、3割負担で済む窓口での支払いが全額自己負担となってしまいます。通っている歯医者さんでも月初めは保険証が必要になりますので、忘れずに持っていきましょう。保険証には加入者の氏名や加入番号、有効期限などの情報が記載されており、歯医者さんでも保険証を提示することによって正確な保険の適用や請求手続きを行うことができます。また保険証を持っていることで、保険会社との連絡や問い合わせがあった場合にも、スムーズに対応することができます。保険証は当日持っていくだけではなく有効期限等もチェックして、きちんと現時点で使えるものであるかを受診前に必ず確認するようにしましょう。
●診察券
歯医者さんに行くときの持ち物のひとつに診察券があります。診察券は患者さんの情報管理や、患者さんの口腔健康と治療スケジュールの管理・立案に重要な役割を果たします。診察券を持っていくことで、歯医者さんは患者さんの歯科状態を正確に把握し、病状の進行や治療の必要性を判断できるのです。また、過去の診察履歴などを振り返りながら継続的な治療計画を立てることもできます。診察券は通院時に忘れがちですが、定期的な歯科検診や治療の一環として持参するようにしましょう。
●お薬手帳
お薬手帳は、患者さんが服用している薬の情報をまとめた冊子です。歯科治療では、患者さんが現在服用している薬によって治療の計画や処方箋の内容を調整する必要があります。お薬手帳には、薬の名称・服用方法・用量・服用期間・処方医等の記載があります。これにより、歯医者さんは患者さんがどのような薬を使用しているかを把握し、それに基づいて適切な処置を行うことができます。また、患者さんがアレルギー反応を起こす可能性のある薬や相互作用がある薬なども確認することができ、治療中に起こるリスクを最小限に抑えることができるのも役割のひとつです。お薬手帳は持参することで歯医者さんとのコミュニケーションをスムーズにし、効果的な治療を受けることができます。また、お薬手帳の情報は緊急時の救急医療や他の医療機関でも活用されるため、患者さん自身の安全を守る重要な持ち物です。
●普段使っている歯ブラシ
必須の物ではありませんが歯医者さんに行く際には、普段使っている歯ブラシを持参することもおすすめです。普段使っている歯ブラシは、個人の口腔環境に合わせて使用されているため、歯医者さんが口腔状態を評価するうえで重要な情報となります。歯ブラシの種類や使用状況は、歯の清掃効果や歯茎の状態に影響を与える可能性があります。歯医者さんに普段使っている歯ブラシを見せることで、磨き残しやすい部分や改善したほうがいい磨き方の癖なども明確になり、患者さんのブラッシング習慣や技術の向上のためのアドバイスを受けられます。また、歯ブラシの清潔さも重要であり、歯医者さんでは適切な清掃方法や保存方法の指導を受けられることも珍しくありません。普段使っている歯ブラシを持参することで、歯医者さんとのコミュニケーションがスムーズかつより具体的になり、より患者さん個人に最適なアドバイスや指導を受けられるでしょう。
歯医者さんに行く前のNG行為
歯医者さんに行く前にやっておかなければならないことは多いですが、反対にやってはいけないこともあります。ここからは歯医者さんに行く前のNG行為についてご紹介します。
●無断キャンセル
医療機関の中でも予約制であることが多い歯医者さんでは、無断キャンセルをされると困ってしまいます。歯医者さんは患者さんが予約した時間を患者さんのために空けています。やむを得ない理由で行けなくなった、遅刻してしまう等の場合は必ず連絡しましょう。
●飲酒
歯医者さんに行く前に飲酒をすることはおすすめできません。飲酒は血液循環を促進させる効果がありますが、これによって治療の際に出血が止まりにくくなる可能性があります。歯医者さんでは治療中に出血が起こることがあります。たとえば、歯を抜く手術や歯茎の治療等では、出血が想定されます。また、飲酒によって味覚が鈍くなると治療中に不快な味を感じにくくなり、問題を早めに発見できない可能性もあります。他にも、アルコールの刺激によって口腔内の粘膜が刺激され、炎症が悪化するなどのリスクもあります。歯医者さんに行く前は飲酒を控え、口腔内の状態を最適な状態に保つことが重要です。
●メイク
歯医者さんに行く際には、少なくとも口元のメイクを落としていきましょう。というのも、メイクをしていると唇の色味が変化してしまい、正確な診断が難しくなる可能性があります。また、メイクが唇の表面に付着してしまうと、治療中や検査中に不衛生な状態になり、感染のリスクが高まることもあります。また、唇の色味は健康状態の指標となる場合があり、唇の色が悪くなっていたり異常を感じたりする場合、それは体調不良のサインかもしれません。治療中に起こる不意の体調不良を担当医師が正確に察知するためにも、歯医者さんへ行く前にはメイクオフすることをおすすめします。
●喫煙
歯医者さんに行く前の喫煙は、受診前のNG行為の一つです。喫煙は血管を収縮させる作用があります。歯茎は血液の循環によって栄養や酸素を受け取り健康に保たれますが、喫煙によって血管が収縮すると歯茎が通常よりも固くなってしまうことがあります。この状態では、歯医者さんでの治療がスムーズに進まなくなる可能性があります。歯茎の治療や抜歯などの手術を行う際には血の循環が妨げられ、血が止まりにくくなることがあります。さらに、喫煙によって起きた口腔内の炎症や傷は、喫煙者の場合治りにくくなる傾向もあります。抜糸や傷の治癒が遅れることで、治療の結果や回復に影響を及ぼす可能性もあるため、歯医者さんに行く前には喫煙を控えることが重要です。
その他歯医者さんに行く際に気をつけるポイント
●歯医者さんへの到着時間の目安
基本的に、歯医者さんへの到着時間の目安は予約時間の約10分前が目安です。これにより予約のスケジュールに余裕を持つことができ、待ち時間を最小限に抑えることができます。また、到着後も歯医者さんで必要な手続きや準備に時間がかかる場合があるため、ゆとりを持って到着することが大切です。歯医者さん側としても患者さんの時間を大切にしたいので、時間前の到着を心掛けましょう。
●予約の変更・キャンセルをする場合
歯医者さん側も、突然の体調不良や家族や仕事の都合等に理解を示している場合が多く、まったく迷惑がかからないということではありませんが、キャンセルができないというわけではありません。キャンセルをする際には必ず電話で連絡をすることが重要で、連絡は早ければ早いほど良いでしょう。空いた時間で別の患者さんを診たり、十分な時間をかけて治療を行ったりできるため、キャンセルをしなければならないとわかった時点ですぐに連絡をするようにしましょう。また、キャンセルを受けた歯医者さん側は、機材のメンテナンス等に空いた時間を充てることもあります。いずれにせよ、キャンセルをする際はできるだけ迅速に連絡をすることが望ましいです。また、歯医者さんの予約をキャンセルする際、具体的な理由は伝えなくても構いません。歯医者さん側は患者さんのプライバシーを尊重するため、詳細な理由を尋ねることはほとんどの場合ありません。病気や予定の変更などの一般的な理由であれば、単純にキャンセルをしたいと伝えるだけで十分です。また、歯医者さんの予約をキャンセルする際は、そのまま予約を取り消すだけではなく再予約をすることも重要です。治療を途中でやめてしまうと、悪化する恐れもあります。予約キャンセル時に再予約の日程を相談し、すぐに再予約を済ませることを心掛けましょう。
●歯医者さんに行くのが怖い場合
歯医者さんに行くことを苦手に思っていたり、痛みを感じるのが怖いと思っていたりするなら、そのことを初めのカウンセリングで歯科医師または歯科衛生士に伝えましょう。患者さん側から初めに伝えてもらえるなら、歯科医師側も配慮しながら治療をすることができます。また診療中に痛みを感じた場合は、遠慮なく左手を上げましょう。痛みの感じ方には個人差があり、虫歯のできた場所や程度によって麻酔が効きにくいこともあります。その場合も遠慮することなく麻酔を追加してもらいましょう。
歯医者さんに行く際には、事前にやっておくことや持っていかなければならない物等、覚えておかなければならないことがいろいろとあります。歯医者さんに行く前に準備しておくべきポイントが分かっていれば、きっと緊張せずに歯医者に行けると思いますので、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてください!