あなたは大丈夫?不快な口臭 その原因と対策

2021.12.27

「口臭」には『生理的口臭』と『病的口臭』があり、口臭の原因と対策が違います。

『生理的口臭』ってどんなもの?


ニンニクやネギを食べたり、お酒を飲んだりすると、周りの人が思わず顔をしかめてしまう口臭が発生します。エチケットとして気をつけなくてはいけませんね!
そんな一時的な口臭には、ガムやマウスウォッシュなどの口臭清凉剤で匂いを抑える方も多いでしょう。
また、朝起きた時に、自分でも口臭を強く感じることはありませんか?これは、睡眠時に唾液の分泌が減少して口臭が強くなるためです。
なぜ唾液の分泌が少なくなると口臭が強くなるのでしょうか?
そもそも口の中は食べもののカスが溜まりやすく、また温度湿度とも雑菌がはびこるような環境なのですが、唾液の分泌が活発な時は、唾液の抗菌作用によって口臭の発生源であるプラークの働きを抑制し、口臭の成分を洗い流してくれる効果があるのです。
日中は唾液も活発に分泌しますが、睡眠時などは唾液の分泌が少なくなるため、口臭源の発生が盛んになるということですね。
睡眠時以外にも、ストレスを感じる場面などでは、口の中が渇き唾液の分泌が減少するため、口臭が強くなる傾向があります。
そんなときはうがいや水分補給をしたり、キャンディーを舐めるなどして唾液の分泌を促すと効果的です。
このような、正常な生活活動で生じる臭気や、お口の中の清掃状態不良などは「生理的口臭」といわれます。

では、『病的口臭』ってどんなもの?

      
病的な口臭には次のようなものがあります。
(1) 歯周病(歯槽膿漏)、舌苔、虫歯など、口腔内から発生するもの
(2) 糖尿病、尿毒症、肝臓病など全身疾患(代謝疾患)由来のもの
また、その臭気の主な成分は硫化水素(H2S)と高い濃度のメチルメルカプタン(CH3SH)という気体であることがわかっています。
病的口臭の原因の約8割は(1)の口腔内から臭気が発生することによります。つまり、慢性的な口臭を気にするなら、その主な原因である歯周病(歯槽膿漏)や舌苔の治療、そしてそれらを防ぐための日頃のお手入れこそがもっとも重要なのです。

歯周病(歯槽膿漏)は口臭の最大の原因

 
口臭が強い人には、歯周病(歯槽膿漏)になっている人が少なくありません。
歯周ポケット(歯と歯茎の境目)にプラークがたまると、細菌によって歯肉が炎症を起こしやすくなります(歯肉炎の状態)。すると細菌の増殖でガスが発生し、それだけでも口臭の原因となります。
 この状態を放置していると悪化して出血することもあり、また、膿(うみ)がたまってさらに口臭がひどくなりかねません。それどころか、歯を支える歯根膜や骨までがダメージを受け、健康そうにみえる歯がぐらつき、突然歯が抜け落ちることさえあるのです。 歯周病(歯槽膿漏)の初期には、虫歯のような痛みはないため、気づかずにひどくなるまで放っておく人が多く、よけいに口臭の原因にもなりやすいのです。

口臭の強さを知るには

鼻周囲で常時発生するにおいは嗅覚疲労(順応)という生体反応のため、自分では気づきにくくなっています。口臭チェッカーなどで口臭の強さを自己チェックする方法もありますし、正確に知りたい場合は歯科医院でハリメーターやガスクロマトグラフィーといった機器による検査で客観的に測定することもできます。
口臭が気になる方は、口臭検査機器を設置している歯科医で検査することをおすすめします。
口臭を気にして歯科を受診したことで歯周病が見つかることも珍しくありません。
また、きちんとお口のケアをしていれば、たいていの口臭は改善されます。そのことを知った上で、日頃からこまめに歯磨き・お口の中のお掃除をしましょう!