良い歯医者さんの選び方②

2024.04.08

良い歯医者さんを選ぶポイント②

  • 1. 担当制

毎回、診てくれる歯科医師や歯科衛生士が違う、ということが多くあります。歯医者さんではより多くの患者さんを治療するために、担当制にしないところが多いようです。 しかし担当制にすることで、引き継ぎ時の共有不十分や医療ミスを減らすことができます。また患者さんと担当医師の間で信頼関係を築きやすく、安心して治療を受けられるようになります。ずっと同じ患者さんと信頼関係を築いていくのか、行き当たりばったりで診療をしていくのかで、スタッフのモチベーションも大きく変わって来るかと思います。いつも同じ歯科医師や歯科衛生士が診てくれる歯医者さんこそ、良い歯医者さんと言えるでしょう。

  • 2. 初診の精度

初診で初めて患者さんが来院した際に、どれくらい時間をかけてどのような検査・データ収集を行うのかは、その患者さんの治療の方針を決める上でとても重要です。問診・レントゲン撮影はもちろんのこと、歯周基本検査(※1)や口腔内写真撮影 (※2)までもしっかりと行うことが必要です。口腔内写真撮影は、患者さんの治療経過を記録していく上で欠かせない大切なものです。この写真撮影をちゃんとしている歯医者さんは、誠実な歯医者さんである可能性が高いです。一方で、あまり勉強熱心ではない歯医者さんは、時間短縮のために省略するケースが多くあります。丁寧に初診を診ようとすれば、だいたい1時間程度はかかります。場合によっては90分程度かけて丁寧に診てくれる歯医者さんもあります。良い歯医者さんは痛みを取るなどの応急処置を除き、初診ではいきなり治療をしません。例えば歯が痛いという状態は、つまり歯茎が腫れているという事です。怪我をしている、腫れている状態のところを切ったり治療したりするというのは、結果として良くありませんし治りも遅くなります。まずは応急処置だけをして、痛み止めを処方し腫れが引くのを待ち、後日また来院されてからしっかりと治療するというのが正しい流れです。また、お口の中を治療するのであればやはりきれいな状態で治療した方が治りも早いので、患者さんによっては歯石や歯垢(プラーク)がたまっている場合には歯石除去やクリーニングをしてから、治療を開始するという場合もあります。患者さんとしては、せっかく来たのだからすぐ治療を進めてほしいという方も多いとは思いますが、そこはぐっと我慢をしましょう。

※1 歯周基本検査

※2 口腔内写真撮影

  • 3. 専門医との連携

すべての治療を高いレベルで一人の歯科医師が行うことはできません。そのため、良い歯医者さんの選び方として、専門医と連携しているかどうかが大切になってきます。 専門医とは具体的に、歯周病専門医・インプラント専門医・矯正専門医・口腔外科専門医・小児歯科専門医など多岐に渡ります。これらの専門医はそれぞれの専門分野の治療ばかりをずっとやっているので、腕が良くなることはもちろんたくさんの症例を経験することで予後に対する予測が立てやすく、より高度な治療計画を立てることが可能になります。医院内外の専門医と治療計画のディスカッションをしてチームとして治療を行うことで、患者さんの治療結果は大きく変わってきます。 一方で経営においては、他の先生に治療の一部をお願いするより全て自分の歯医者さんで完結した方がより高い売上を獲得することができます。そのため、日本では専門医との連携が進んでいないことが多いです。専門性の高い医療機関を紹介できる体制が整っているということは、良い歯医者さんであると言えるでしょう。

  • 4. スタッフ

スタッフの定着度が高い歯医者さんとは、例として院長の人柄が良く医師がスタッフを大切にし、適切なコミュニケーションによる深い信頼関係の構築というものがあります。これにより歯医者さんの雰囲気も向上し、スタッフの定着度も高まり、歯医者さん全体のモチベーションの向上や患者さんへの適切な治療にも繋がります。逆に、スタッフが頻繁に入れ替わる場合は要注意です。例として、院長の人柄や考え方、内部事情に問題がありそれが災いし歯医者さんの環境が劣悪になり、スタッフはより良い環境を求めて転職をするからです。このような環境や問題は仮に患者さんには気づかれず隠し通せたとしても、スタッフには隠せません。もしスタッフの入れ替わりが激しいと感じたら要注意です。また、受付スタッフは歯医者さんの顔であり、第一印象でもあります。受付の対応がその歯医者さんを象徴するといっても過言ではありません。例えば電話対応などは表情などが読み取れないので、歯医者さんのレベルが問われる部分です。受付スタッフにも教育が行き届いているかが、歯医者さんを選ぶうえでとても重要です。受付スタッフが明るく笑顔でおもてなしをしてくれる歯医者さんは良いと言えるでしょう。

  • 5. 診療の誠実さ

患者さんへの説明において、専門用語の多用は患者さんの信頼の喪失につながります。また患者さんの質問に対して、丁寧にわかりやすく説明できるかという点も重要です。スタッフの方に専門用語を用いるのはよくあることですが、患者さんにも同じ対応をすると、それは歯科知識を知らない患者さんと向き合えていないとみなされてしまいます。患者さんに誠実に寄り添える歯医者さんであるかどうかを見極めることが大切です。また、治療を行う上でのメリットだけでなくデメリットを伝えることも重要です。特に自費治療は患者さんの要望を叶えるための治療なので、メリット・デメリットを患者さんに伝えて納得してもらい、安心して治療を受けてもらうことが不安や疑念を無くすことに繋がります。従ってデメリットをしっかり伝えてくれる歯医者さんは、良い歯医者さんと言えるでしょう。