口臭予防に効く正しい歯磨きの仕方

2023.10.02

こんにちは、お口の学校です。

新型コロナウイルスの感染者もだいぶ落ち着き、マスクをつけないで外出される方も増えてきた今、自分の口臭が気になる方も多いのではないでしょうか?口臭にはいくつかの種類があります。適切な口臭予防をするためにも、今回は口臭の種類とそれぞれの原因についてお伝えします。

〈口臭の種類と原因〉

●生理的口臭

朝起きたときや空腹時、緊張やストレスを感じているときなどに発する口臭のことをいいます。これは、唾液の分泌量が減って口腔内の細菌が増え、口臭の原因物質が増加してしまうのが原因です。誰にでも起こりうる口臭であり、臭いもさほど強くないので自身でのコントロールが可能です。水分補給をして口を潤したり、食事などで唾液の分泌が増えたりすれば自然と口臭は弱まります。

●ストレスによる口臭

ストレスや極度の緊張状態などで、口腔内が乾いた状態になると口臭が発生します。生理的口臭と同じく、唾液量の分泌が減ることで口臭の原因物質が増加してしまうのが原因です。

●食べ物や嗜好品による口臭

にんにくやねぎなどニオイの強い食べ物、コーヒーやお酒などの嗜好品によって起きる口臭です。食後に歯磨きをしたり、口をゆすいだりすることで口臭は弱まります。

●病的口臭

体内の病的な原因で生じる口臭のことをいいます。歯磨きが不十分で歯垢(プラーク)が溜まったり、歯周トラブルになったりすると口臭が強くなることがあります。歯周トラブルの場合、状況によっては歯科医院を受診する必要があるかもしれません。病的口臭は原因の病気を改善しないかぎり、他人を不快にする強い口臭を発し続けます。その病的口臭の多くは虫歯や歯周病などが発端となっており、歯磨きでこれらの病気を未然に防ぐことは病的口臭の予防にもつながります。

●心理的口臭

実際には口臭がない場合でも、口臭があると思いこんでしまうのは心理的口臭といいます。自臭症、口臭恐怖症と呼ばれることもあります。心理的口臭の一例としては、過去に口臭を指摘されたトラウマ、会話中に相手が顔をそむけるといった仕草から、必要以上に口臭を心配してしまうなどが挙げられます。また、その心配や緊張から唾液量が減って口腔内が乾いてしまい、不快感や口臭が発生していると感じてしまう方もいるようです。

このように、口臭にはいくつかタイプがあります。まずは自分の口臭のタイプ、原因などを知ることが大切です。

〈口臭予防のための正しい歯磨きの仕方〉

口臭予防のため、すでに歯磨きを頻繁にしているという方も多いかと思います。しかし、いくら回数を増やしても、口臭の原因となる歯垢(プラーク)をしっかりと落とせていなければ意味がありません。

◎磨きやすい歯ブラシを選ぶ

歯ブラシはまず、奥まで届きやすく小回りの利く小さなヘッドのものを選びます。また歯ブラシ全体が真っ直ぐになったストレートタイプのほうが、手と毛先の動きが一体となって磨きやすいでしょう。ブラシの毛はやわらかめ~ふつうの硬さで、先端が細いものほど細かいすき間まで毛先が届きやすくなります。また、効率よく歯磨きをしたい方は電動歯ブラシもおすすめです。電動歯ブラシはヘッド部分が自動で動くため、歯ブラシを動かさなくても歯が磨けるほか、磨く時間も手用の歯ブラシより短時間ですみます。

◎歯ブラシを当てる角度に気をつける

歯磨きの際は、まず歯の側面やかみ合わせの面に対して歯ブラシをまっすぐに当て、小刻みに動かして磨きます。この磨き方で歯の表面の歯垢(プラーク)を落とせたら、次に歯ブラシを45度に倒して、歯と歯茎の境目の溝まで磨きましょう。この溝の部分は磨き残しやすく、菌が繁殖して口臭の原因になりやすいので注意しましょう。

◎歯磨き時の力加減に気をつける

歯磨きは力を入れて横にスライドさせるよりも、軽い力で細かく振動させるほうが、すき間の汚れが落としやすくなります。力が入っていると歯ブラシの毛先がうまく歯の表面に当たらないので、非常に軽い力で歯ブラシを持つのがポイントです。ペンを持つように歯ブラシを持つと、力が入りにくくなります。もし2週間ほどで毛先が広がる場合は、ブラシを歯に当てる際の力が強すぎる可能性があるため、力加減に注意していきましょう。

◎就寝前は特に丁寧に磨く

やみくもに歯磨きの回数を増やすよりも、就寝前の歯磨きを特に丁寧にしたほうが効果的です。就寝中は唾液が減ってしまうので、歯磨きで歯垢(プラーク)をしっかりと落としておく必要があります。就寝前の歯磨きでは、デンタルフロスなどを活用して歯間部の汚れまで念入りに取り除くと良いでしょう。

◎定期的に歯ブラシを交換する

正しい方法で歯磨きができていても、歯ブラシがきれいな状態でなければ効果は半減してしまいます。裏側からみて毛先がヘッドからはみ出るほど広がれば新しいものと交換します。古い歯ブラシは毛先が開いて磨きにくく、また、ブラシに菌が繁殖している可能性もあります。1~2か月程度のサイクルで新しい歯ブラシに替えるのがおすすめです。

◎オーラルケアグッズを活用する

歯ブラシだけでの歯磨きでは、歯に付着した汚れの6割程度しか落とすことができません。そこでさらに汚れの除去率を上げるために、デンタルフロスや歯間ブラシ、デンタルリンス等も併用していきましょう。

◎歯磨きと一緒に舌磨きをする

舌苔(ぜったい)とは、舌の表面に堆積した白い苔状の汚れのことです。食べかすや細菌のかたまりである舌苔があると、就寝中に細菌が増殖し、口臭が強くなります。舌苔を予防するには、歯磨き後に舌も磨くことが重要です。ただし舌の表面は非常に柔らかく傷つきやすいため、歯磨き粉の使用は避け専用の舌ブラシを使って優しく磨きましょう。舌の色がピンク色ではなく、白、または黄色くなり苔が生えたようになっていれば、定期的に舌ブラシを用いて落としましょう。舌磨きの頻度は多くても1日1回で、適度な力加減で行ってください。

正しい歯磨きは生理的口臭を抑えるだけでなく、虫歯や歯周病による病的口臭の予防にもつながります。口臭をはじめ、口にまつわるトラブルの予防の基本は毎日の歯磨きですので、正しい歯磨きを習慣づけましょう!