良い歯医者さんの選び方③

2024.04.15

良い小児歯科を選ぶポイント

  • 1.小児歯科があるクリニックを選ぶ

歯医者さんの機材や匂いは日常の雰囲気とは大きく違い、泣いてしまったり暴れてしまったりする子どもも少なくはありません。小児歯科であればどのような子どもも対応してきた経験があるので、初めての歯医者さんでも安心です。一方で子どもを専門としていない歯科医院では、子どもの対応に慣れておらずトラブルになる可能性も考えられます。多感な子どもだからこそ、安心できる空間での治療がおすすめです。小児歯科では歯医者さんを楽しい場所へ変える工夫も日々行っています。個室を設けて他の子どもの泣き声が聞こえにくいように工夫したり、季節のイベントに合わせて飾りつけをして院内を明るく可愛く装飾したりしている所が多いです。

  • 2.「日本小児歯科学会認定 小児歯科専門医」の資格がある

歯医者さんであれば、だれでも小児歯科と名乗ることができます。つまり、小児歯科という看板を出すための特別な資格が必要というわけではないのです。ただし、日本小児歯科学会が認定する「小児歯科専門医」という資格は存在しています。この資格は、小児歯科に関する知識や技量が十分にあると認められた歯医者さんだけに与えられるもので、子どもの歯の治療を重点的に学んできた歯医者さんの診療を受けるためには、「日本小児歯科学会認定 小児歯科専門医」の資格を持っているかをチェックすることがポイントです。日本小児歯科学会のホームページで簡単に調べることができるので、気になる歯医者さんがあったら資格の有無を確認しましょう。この資格を取得するためには、小児歯科学会会員としての臨床経験が5年以上あり、指定された大学小児歯科学講座などでの研修や定められた教育研修を履修するといったことが義務づけられています。さらに、資格取得後も学会や研修会への参加や研究発表などの基準を満たさなければ更新することもできません。

  • 3.子どもが嫌がらない工夫をしている

子どもが嫌がらずに歯医者さんに通えるようになるためには、歯医者さん側が子どもの扱いに慣れていることも大きなポイントです。なかには嫌がる子どもを無理やり押さえつけて治療をする歯医者さんもいるようですが、これでは子どもが歯医者さん嫌いになってしまっても仕方ありません。本来の目的である治療や虫歯予防などを、きちんとできなくなってしまっては意味がないのです。そこで、子どもが少しでも楽しい気分で通えるような工夫をしているかをチェックしておきましょう。また、嫌がったり渋ったりする子どもを歯医者さんに連れて行くのは親御様にとってもストレスとなるので、同行者の心理的負担まで軽減する考慮がされているとさらによいでしょう。いくつかポイントをご紹介します。

●いきなり診療を始めない

歯医者さんという特別な空間に子どもは戸惑いを感じています。緊張を少しずつほぐして慣れさせるために、最初は診療室に入るのを目標とし、それができたら椅子に座ってみるなど段階を踏んで進めてもらえるとよいでしょう。

●たくさん褒めてくれる

褒められることが好きな子どもは多いと思います。ほんのちょっとしたことでも、上手にできたら笑顔で褒めてくれるスタッフがいると、歯医者さんに通うのが楽しみになるでしょう。

●子どもが親しみやすいスタッフ

子どもに積極的に話しかけてくれるなど、子どもの扱いに慣れているスタッフが多いかどうかも大切です。特に女性スタッフの数が多いと、子どもも自然と打ち解けやすいでしょう。

●ご褒美をもらえる

小児歯科のなかには頑張って診療を受けた子どもに、シールやガチャガチャなどのご褒美をくれるところもあります。ご褒美をもらう目的のためには、嫌な思いも耐えられるという子どもも多いのではないでしょうか。実はご褒美をあげるのはトークンエコノミー法といって、心理学の行動療法としても有効な方法です。頑張ったら良いこと(=ご褒美)があるという体験が積み重なり、子どもが「また通いたい」と思ってくれるのでスムーズな処置をすることができます。

●子どもが好む内装

殺風景な診療室では、歯医者さん独特の緊張感が増してしまいます。壁の色などに子どもの好むピンク色や水色など明るい色を取り入れていたり、子どもの好きなキャラクターの絵やぬいぐるみが飾ってあったりするとくつろいで過ごせるものです。また、子ども向けの優しいオルゴールの音色などが流れていると気分も落ち着くでしょう。

●キッズスペースがある

歯医者さんで診療を待つ間も子どもはずっと緊張しています。歯医者さんに着いてから診療室に呼ばれるまでの間を楽しく遊んで過ごすことができれば、少しでもリラックスした気持ちで診療を受けることができるでしょう。小児歯科のなかには、おもちゃやぬいぐるみ、絵本などが用意されたキッズスペースを完備しているところが増えています。靴を脱いで自宅で遊んでいるような感覚でくつろげるように作られているところも多く見かけます。子どもの好きなアニメのDVDが流されていることもあるでしょう。このように、子どもが楽しめる空間があるかどうかもチェックしておきましょう。

病院の緊張感がある雰囲気が苦手な子どもも多いでしょう。子どもに楽しく歯医者さんへ通ってもらうためにも、明るく元気な雰囲気の歯医者さんを選ぶとよいでしょう。

  • 4.説明が丁寧で分かりやすい

初めての歯医者さんだからこそ、詳しく説明を聞きたい方も多いのではないでしょうか。小児科は歯磨き指導や離乳食へのアドバイスなど、細かな説明があるかが重要なポイントとなります。乳歯は永久歯よりも虫歯になりやすいため、こういったサポートを受けるかどうかで今後に大きく関わってきます。検査・カウンセリングが雑であったり、相談にあまり乗ってくれなかったりなど、説明が不十分な歯医者さんはおすすめできません。子どもの歯を守るためにも、説明が丁寧な歯医者さんを選ぶようにしましょう。

  • 5.メリットだけでなくデメリットも伝えてくれる

歯の治療にはメリットだけでなくデメリットもつきものです。そこで都合のいいことだけでなく、問題点などもきちんと説明してくれる歯医者さんであるかどうかも重要な要素となります。メリットとデメリットを理解したうえで正しい治療を受けられるように判断しなければなりませんし、デメリットを話してくれない歯医者さんではどうしても不安になってしまうものです。子どもも親御様も満足した気持ちで納得のいく治療が受けられることが大切です。また、疑問点なども遠慮せずになんでも相談でき、きちんと理解できるまで丁寧に説明をしてくれるかどうかも歯医者さん選びには欠かせないポイントです。いろいろな性格の子どもがいることを知っており、子どもの気持ちを第一に考えてくれる歯医者さんであれば親御様も不安なく任せられるでしょう。

  • 6.予防を重視している

子どもの歯は虫歯になりやすく、一度虫歯ができるとあっという間に進行してしまいます。将来の歯の健康を左右する大切な時期でもありますから、小児歯科は特に虫歯予防に力を入れているところを選びましょう。歯医者さんというのは本来、治療をするときだけに行くところではありません。歯や歯茎のトラブルは進行してからではなく、早い段階で適切な処置をすることで健康な状態を保てるようになるため、将来を見据えた予防を考えて診療をしてくれる歯医者さんかどうか見極めてください。

  • 7.家から近くて通いやすい

子どもの歯を虫歯から守るためには定期的に歯医者さんに通い、予防処置を絶やさないことが大切です。そのためには、通いやすい場所にある歯医者さんを選ぶことも重要です。子どもにとって、自宅と歯医者さんを行き来する度に長い移動時間がかかることは大変です。また、歯医者さんに連れて行くのに長時間の移動が必要な場合は、親御様にとってもストレスとなるでしょう。ずっと通院できるようにできるだけ家から近く車で簡単に行けるなど、短時間で手軽に通える場所で歯医者さんを探してみるのがよいでしょう。