ご存じですか?6月4日~10日は『歯と口の健康週間』です!

2020.06.04
歯と口の健康週間

「歯と口の健康週間」とは?

厚生労働省・文部科学省・日本歯科医師会・日本学校歯科医会が連携して、すべての国民のお口の健康維持・増進を目的とし、さまざまな媒体やメディアなどを通して「歯に関する正しい知識」を啓発していく、お口の健康のためのイベントウイークです。

『歯と口の健康週間』は、毎年6月4日~10日に指定されています。
その理由は、当初(1928年)、6(ム)、4(シ)とかけて「虫歯予防デー」という名称で実施されていました。この名称に聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか?
その後「口腔衛生週間」や「歯の衛生週間」など名称を入れ替えながら、2013年より『歯と口の健康週間』と変化しました。

歯と口に関する正しい知識、持っていますか?

今年度(令和2年度)のスローガンは「咲かそうよ 笑顔の花を 歯みがきで」です。
タイトルからも感じ取れるように、健全な心と体は健康的なお口から生まれると言っても差し支えないでしょう。

普段の生活上では、なかなか気にも留めにくいお口のことですが、口腔という器官はほかの臓器に比べてみても、非常に多くの役割があるのです。

1.消化機能

お口の役割で一番大切なこと、それは「食事を取る機能」です。
食べ物を噛みちぎる前歯、そしてそれをよく噛んですりつぶし、消化しやすい状態に持っていくのは奥歯の役目といったように、すべての歯に対してそれぞれの役割があります。

たとえば大臼歯と呼ばれる奥歯が1本でも欠けてしまえば、物を噛む力が40%も減ると言われています。

2.発音機能

歯の有無は、発音にも影響を及ぼします。
前歯が1本でも欠けてしまうと、言葉を発するときに空気が漏れてしまって発音しづらいうえに、聞き手にとっても不明瞭となりコミュニケーションの質が下がりやすくなってしまいます。

3.審美的な機能

歯が与える影響は食べたりお話ししたり、といった日常生活機能だけでなく、審美的な役割も担っています。
清潔感があってきれいな白い歯は、それだけで自然と美しい笑顔を作り出して、相手に好印象を与えるものです。

正しいセルフケアと早期発見、早期治療が大切です

歯周病や虫歯を予防するために、なによりも大切にしていただきたいのが「セルフケア」です。
ご自身に合うグッズを取り入れるだけでセルフケアの質は上がります。ここでは簡単に歯ブラシの選び方と磨き方をご紹介します。

1.歯ブラシの選び方

・歯ブラシの大きさ
奥歯まできちんと行き届く「コンパクトヘッド」とうたわれている歯ブラシが、小回りが効きやすく、どのような歯並びの方にも合いやすいです。

・毛のやわらかさ
硬めの歯ブラシでこするとそれだけで磨いた気になってしまって磨き残しが増えてしまったり、歯や歯茎を傷つけやすかったりします。男性によく好まれる傾向にあるようですが、歯茎を痛める原因になりますので、磨く力が強めの方は「軟らかめ」を選ばれるのがベターです。

・毛の材質
ドラッグストアでよく見かける歯ブラシの材質と言えばナイロン製ですが、おすすめなのは「飽和ポリエステル樹脂」です。
飽和ポリエステル樹脂はナイロン製の歯ブラシよりも4倍以上耐久性に優れているほかに、しなやかで歯茎の当たりもやさしく、水はけもよいので衛生的です。

2.歯の磨き方

・虫歯予防の磨き方「スクラビング法」
歯ブラシの毛先を歯に対して垂直にあて、歯1本くらいのストロークで小刻みに横磨きをおこないます。

・歯周病予防の磨き方「バス法」
動かし方についてはスクラビング法と同様ですが、バス法は歯ブラシの当て方が違うところがポイントです。
歯茎の溝に入れ込むように、歯ブラシの毛先を歯に対して斜め45度の角度であてます。

早期治療は歯の生涯治療費を抑えることにもつながります

歯の健康寿命を延ばすにはセルフケアも大いに大切ですが、365日完璧に歯の汚れを自身で取ることは、現実的に難しいものです。

したがって、半年に1回程度は歯科医院で定期検診を受けて、プロにお口をチェックしてもらうことをおすすめします。
万一、歯のトラブルが発見されても早期に発見しやすいので、安価な治療費で済むケースも多く、結果的に歯の生涯治療費を抑えられます。

歯の寿命を延ばし、健康寿命を延ばしましょう!

今回お伝えしたように、歯は「日常生活に密着した器官」というカテゴリーにおさまらず、自身のメンタル面やコミュニケーションの質をも左右する非常に重要な器官です。
「もしも歯が1本でも欠けたり、噛みにくくなったりして、お口が正常に機能しなくなったら?」と想像してみてください。

私たちは毎日当たり前のように歯を使って食事を取っているので、ついありがたみを忘れがちですが、それだけ「空気のような存在」とも言えるでしょう。
しかし、当然ですが空気がないと私たちは生きてはいけません。

歯を失ってはじめて歯のありがたみに気づいて後悔する前に、自身で取り組めることからスタートしていきましょう。