本当に知っていますか?歯周病のこと。~「歯周病」は総称です!~

2019.11.01

TVCMや雑誌、インターネットなどで「歯周病」という言葉をよく耳や目にする機会は多いと思います。
30代を過ぎたあたりから、自分は大丈夫かな?と少しずつ気になり始めたり…。

しかし、ひと言で「歯周病」と言っても、具体的にどんな症状のことを言うのでしょうか?

お口の悩み 歯周病対策

意外と知られていないのですが、「歯周病」とは、歯と歯を支える組織(歯周組織:(歯肉・歯根膜・歯槽骨・セメント質)におけるさまざまな病態の「総称」です。
大きく分類すると、「歯肉炎」と「歯周炎」これら2つをまとめて「歯周病」と呼んでいます。

炎症が歯肉だけにある状態を「歯肉炎」といい、炎症が歯槽骨や歯根膜にまで広がっている状態を「歯周炎」といいます。「歯周炎」はあまり聞き慣れないかも知れませんが、以前は「歯槽膿漏」と呼ばれていました。「歯肉炎」がさらに深部にまで進行してしまった状態と言えます。

これら歯周病の特徴は、「silent disease」と呼ばれるように、ある日突然重度の症状が出るのではなく、痛みがないため気づかないうちに静かに進行していくところです。
歯茎が腫れたりして気がついた時には歯を支えている歯槽骨まで進入し、歯がグラグラしたり、ものが噛めなくなり、最悪の場合歯が抜け落ちてしまいます。

むし歯は歯そのものが壊されていく病気ですが、歯周病は組織が壊され、最後には歯を失ってしまう、とてもこわい病気です。
しかし、しっかりケアすれば、症状はおさまるため、軽度の段階でのケアがとても大切です。

「自分はまだ大丈夫!」「歯磨きを毎日しているから、自分には関係ないかな」と思う方もいるかも知れませんが、実に日本人の場合30代で70%、40代で80%以上の人が歯周病にかかっていると言われています。なかには小中学生でも症状が見られる場合もあります。

また近年、歯周病が糖尿病などの生活習慣病と関連していることも明らかになり、生活習慣が歯周病になる危険性を高めることから、生活習慣病のひとつにも数えられています。

このように軽視できない「歯周病」。
予防の第一歩として、まずは歯周病について正しく理解しましょう!