歯の構造・組織と歯周病について

2022.02.15

歯周病とは、最後に歯が抜け落ちてしまう病気です

そもそも、歯周病とはどんな病気なのでしょうか?
ひとことで言うと、歯を支える歯ぐき(筋肉)や骨(歯槽骨)が壊されていく病気です。
虫歯は、歯そのものが壊されていく病気ですが、歯周病は歯を支える土台(歯周組織)が壊され、最後には歯が抜け落ちてしまう病気です。

日本人の40歳以上の約8割が歯周病にかかっていて、生活習慣病のひとつにも数えられています。

歯と歯肉の構造

歯や歯ぐきの内側は、普段見ることはできませんが、このイラストをご覧ください。
歯を支える土台(歯周組織)はこうなっています。

  

このイラストは、歯を輪切りにした図です。上の部分は「歯冠」、境界部は「歯頚」、下の部分は「歯根」と呼ばれています。

歯が骨に植わっている状態は、釘が板に打ち付けられている様子に似ていることから「釘植(ていしょく)」とも言われています。

歯冠の表面をおおっているのは「エナメル質」と呼ばれ、ヒトの身体の中でも最も硬い部分で、モース硬度でダイヤモンドを10とした時の6-7の値、水晶くらいの硬さがあります。
歯の中央部には、血管の入っている「歯髄」があります。
歯の本体は「象牙質」という組織です。

そして、その歯を支える土台である歯周組織は歯の周りにあり、「歯肉」「歯根膜」「セメント質」「歯槽骨(歯の周りの骨)」の4つからなっています。

歯周組織は、歯頚部を取り囲み、噛む力に対応して、歯を守り、口腔内の異物や「食べかす」が歯槽に侵入するのを防いでいます。

歯周病が酷くなると、歯茎の腫れだけではなく、歯を支える歯槽骨を溶かしてしまうのです。歯槽骨は弱くなり、歯がグラグラして最終的に歯が抜けてしまうのが、歯周病の怖い所です。

歯周病の予防と治療

歯槽骨が溶けてしまう歯周病の予防として一番大事な対応方法は歯磨きです。歯磨きがしっかりしていなければ歯周病も治せません。基本的なことですが、しっかり歯磨きしましょう。
また、歯周病は、重症化するまでほとんど自覚症状が出ません。
歯周病は悪くなってから治療するよりも、健康的で良い状態のうちからその状態を維持していくという考え方をする必要があります。歯を失う原因のトップは歯周病です。皆様方の歯の健康、ひいては全身の健康を維持させるためにも早い段階から予防歯科を始めましょう。
定期的な歯科検診も怠らないようにしましょう。